2025年03月15日
アルミパウチとは、アルミニウムを含む多層フィルムでできた包装袋です。化粧品や食品のパッケージとして利用されることが多く、高い遮光性と密封性を持っているのが特徴です。
遮光性の高さによって商品の劣化を防ぎ、さらに密封性の高さによって商品を外気や酸素、細菌から守ります。そのため長期間品質を保てる点も、アルミパウチが人気な理由です。
食品や化粧品の容器として、アルミパウチではなく、ボトルタイプを検討している方もいるかもしれません。ボトルタイプとアルミパウチの違いは、以下のとおりです。
|
アルミパウチ |
ボトルタイプ |
重量 |
軽量で持ち運びやすい |
重くかさばりやすい |
容量の確認 |
残量が見えにくいが、透明小窓や目盛りで補う工夫が可能 |
中身が見えるため残量が分かりやすい |
密封性 |
高い密封性で劣化を防ぎやすい |
密封性はあるが、蓋の開け閉めで外気が入りやすく、劣化が早まる |
衛生面 |
使い切りタイプが多く、衛生的に保管しやすい |
使い回ししやすいが、頻繁に使用すると内部が汚れやすい |
保管・陳列 |
自立袋やマチ付きは陳列しやすいが、平袋は形が崩れやすい |
形が安定しており、陳列が簡単で見栄えもよい |
携帯性 |
軽量かつコンパクトで、持ち運びに便利 |
重くかさばりやすく、持ち運びに不便 |
デザインの柔軟性 |
スパウト付き、マチ付き、ミニパウチなど種類が豊富 |
サイズやラベルでデザインを工夫する必要がある |
アルミパウチタイプとボトルタイプでは、さまざまな違いがあります。どちらにもメリットとデメリットがあるため、お客様のニーズや商品の特性に応じて使い分けましょう。
アルミパウチにはメリットが多くありますが、デメリットも存在します。デメリットを知らないことで、お客様トラブルが発生するリスクが増えるほか、ブランドイメージをうまくつくれないことも考えられるでしょう。
アルミパウチの利用を検討している場合は、しっかりとメリットとデメリットを知っておくことが重要です。
アルミパウチのメリット |
アルミパウチのデメリット |
● 軽くて持ち運びやすい ● 環境への負荷が低減できる ● 形やタイプが豊富 ● 密封性が高い ● 保管しやすい |
● 残量が分かりにくい ● きれいに並べて保管しづらい ● 強い圧力や衝撃に弱い |
ここからはそれぞれのメリットとデメリットを詳しく解説します。
アルミパウチタイプの容器を化粧品に使うメリットは、以下になります。
● 軽くて持ち運びやすい ● 環境への負荷が低減できる ● 形やタイプが豊富 ● 密封性が高い ● 保管しやすい |
アルミパウチは軽くてかさばらないため、一気に運ぶことが可能です。そのため、展示会やイベントなどで、サンプルとして多くの人に配りたい場合の容器として適しています。
また、薄型で軽量なアルミパウチは、輸送の際にも一度に多く運ぶことが可能です。そのため輸送コストの削減にもつながり、在庫を別の倉庫や店舗に移動する場合でも、労力がかかりにくいでしょう。
アルミパウチはボトルタイプに比べ、必要なプラスチックが少なく済みます。廃棄時のプラスチック量もボトルタイプと比較して少ないため、環境への負荷が軽減できます。
またアルミパウチの中には、リサイクルが可能な素材もあります。リサイクル率が高い素材のアルミパウチを選ぶと、廃棄物の発生を抑えつつ、資源の有効活用を実現できるでしょう。
このように、環境への負荷を軽減することで「環境に配慮している」というブランドイメージも構築できます。
アルミパウチを採用することで、企業イメージの向上や他社との差別化にもつなげられるでしょう。
アルミパウチは形やタイプが豊富なので、商品の特徴に合ったパッケージを作ることが可能です。例えば、何度も開け閉めして利用するような化粧品の場合は、スパウト付きのパウチを採用するとお客様の利便性向上や鮮度を保つことが期待できます。
試供品やサンプルとして消費者に提供したい場合は、1回使い切りタイプの形状を採用することが可能です。そのほか、形状だけではなくデザイン面も豊富にカスタマイズできるため、ブランドイメージに応じたパッケージを作れるでしょう。
アルミパウチは空気や湿気の侵入を防ぎやすく、密封性が非常に高いため、商品の劣化を抑えてくれます。特に、ビタミンCや植物由来のエキスなど、酸化に弱い成分を含む製品の場合は、アルミパウチを採用することで品質を守れるでしょう。
ほかにも、食品や化粧品は香りを保つことも顧客満足度につながります。アルミパウチは開封後も、再度封をする際に空気を逃がしやすく、香りの成分が劣化したり外に逃げたりするリスクを抑えられます。お客様が使用する際に、長くしっかりと香りや効果を体感してもらうことが可能です。
このように、商品の鮮度や品質を長く保つことで、企業の信頼度向上につながるでしょう。
アルミパウチは薄くて柔軟性があるため、重ねて保管することが可能です。大量の在庫を保管する場合でも、限られた倉庫スペースを有効に活用できるでしょう。
また、温度変化に強い素材を選ぶことで、冷蔵庫や冷凍庫でも保存が可能です。このように、アルミパウチであれば、温度管理をしながら大量に商品の保管が行えます。
アルミパウチタイプの容器を化粧品に使うデメリットは、以下になります。
● 残量が分かりにくい ● きれいに並べて保管しづらい ● 強い圧力や衝撃に弱い |
アルミパウチは、遮光性が高い素材の場合、中身が見えない構造になっていることがあります。そのため、どれだけ使用したか、残りはどれくらいなのか、目視では確認が難しいことが考えられるでしょう。
特に、化粧品は少量ずつ使うことが多いため、残量が分からないとお客様にとっては不便に感じられてしまうこともあります。
少量ずつ使う化粧品やスキンケア製品の場合は、残量が分かるようにデザインを工夫することも必要でしょう。
アルミパウチは柔軟性が高いため、ボトルタイプに比べるときれいに並べて保管するのが難しいです。特に、ジェルやクリームのような柔らかい製品は形が崩れやすく、店頭できれいに並べるのは難しいでしょう。
きれいに並べても、消費者が手に取る回数が多いとすぐに乱れてしまう恐れがあります。店頭に並べる場合は、袋の底にマチを付けるなどして、自立できるパッケージにするとよいでしょう。
アルミパウチは軽量で柔軟性が高く、内容物に合わせて形を変えやすいというメリットがあります。ただし、アルミパウチはボトルタイプとは異なり、硬い外装で内容物を守ることはできません。
押し潰されやすく、重いものと一緒に保管や輸送を行うと、破れたり潰れたりしてしまうリスクがあります。
また、鋭利なものが当たると簡単に穴が開いてしまうおそれもあるため、倉庫で整理や梱包作業をする際は気を付けなければなりません。
化粧品に使われるアルミパウチには、さまざまな種類があります。それぞれにメリットやデメリットがあるため、アルミパウチの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
● スパウト ● ミニパウチ ● 平袋・自立袋 ● ガゼット |
各種類の特徴や、どのような商品に適しているのかを詳しく解説していきます。
スパウト付きパウチは、注ぎ口が設けられたパウチタイプです。注ぎ口はキャップで密封されており、使いたい量を調整しやすいのが大きな特徴になります。そのため、液体やクリーム状の化粧品に適しているでしょう。
また、使い終わった後もキャップを閉められるため、衛生的に化粧品を保管することが可能です。スパウト部分が丈夫なため、輸送時や保管時に液体が漏れてしまうリスクも抑えられます。
ミニパウチは小型サイズのパウチで、試供品や1回使い切りの製品として使用されることが多いです。また、旅行中や一時的に使える製品として訴求がしやすくなるのもメリットの一つです。
このように、自社商品を気軽に試してほしい場合やプロモーションをしたい場合は、ミニパウチがおすすめです。
平袋・自立袋パウチは、アルミパウチの中でも一般的な形状です。平袋はシンプルな平面状で、かさばらず保管しやすくなります。軽量で持ち運びも簡単であり、フェイスマスクやフェイスパックサプリメントのパッケージとして使われることが多いです。
自立袋は底部が広がる構造になっており、陳列や保管時に自立してくれます。そのため、パウチタイプのデメリットである陳列しづらいという部分も、自立袋であれば解消できるでしょう。また、自立袋パウチは内容物を多く入れられるため、詰め替え用の化粧水や乳液の容器にも向いています。
ガゼットパウチはマチ付きパウチともいい、側面や底部に折り込み(マチ)があるのが特徴です。そのため、内部の容量を拡大しやすく、大容量の製品に向いています。例えばクレンジングやシャンプーなど、使用量が多い製品にも対応でき、お客様にとっては頻繁な補充を減らすことができ利便性が高いでしょう。
また表面積が広いため、製品デザインを全体的に印刷してブランドイメージを強調しやすいのもメリットの一つです。パッケージ全体でのブランディングに力を入れたい場合や、視覚的なインパクトを高めたい場合は、ガゼットパウチを検討するとよいでしょう。
アルミパウチは、ボトルタイプと比べると収納しやすく、大量生産に向いています。その一方で、耐久性や陳列のしにくさなど、デメリットも存在します。
このようなデメリットは、アルミパウチの種類を使い分けることで解消できる可能性が高いです。アルミパウチを採用する際は、実際に商品が陳列された場面やお客様が利用する場面をイメージした上で、種類を検討しましょう。
カテゴリ一覧